まあ笑ってくれ。

お前の上司の頭髪を全てもやしに変えてやろう

私は着物で街を歩きたい。

キム・カーダシアンが下着ラインのブランドにkimonoという名前を付け商標登録したことで話題になっていますね。

 

というか、キム・カーダシアンさんって何者なんでしょうか。デーブのワールドワイドニュースで何回か名前を聞いた気がするし、というか名前自体はよく聞く気がしますが、何してる人かはよく知りませんでした。そこでWikipediaを見てみると、

West first gained media attention as a friend and stylist of Paris Hilton, but received wider notice after a 2003 sex tape with her former boyfriend Ray J was released in 2007

 パリス・ヒルトンのお友達件スタイリストとして有名になり、2007年にセックス・ビデオが流出して一躍有名になった。

 

なぁんだ!色黒のパリス・ヒルトンか!!

 

・・・やっぱり何をしている人かよくわかりません。

その後、家族ぐるみでリアリティショーに出ました。これはカーダシアン家に密着したドキュメンタリーバラエティのようなもので、やっぱり何をしている人かよくわかりません。

 

 

さて、今回の騒動。商標登録されてしまえば他の商品にkimonoと使えなくなることが問題視されているほか、彼女の影響力では、いずれkimonoが本来の衣服ではなく下着を指す言葉になってしまうという危惧がされているのだとか。

 

個人的には、kimonoという一般ワードを商標登録してしまうのは困るものがあります。もはや一般外来語として浸透したと言っていい言葉ですから、アメリカの方でも商標登録受付されないことを祈ります。

 

そもそも、kimonoラインの下着を見てみましたが、着物とは何の関係もなく、ネーミングが着物から来ているというよりは、自分の名前を連想される一般ワードを選んだ感じがして残念です。

kimonoと呼ぶからには、せめて着物を連想させるデザインだったらうれしかったなあ。

 

ここは難しい問題で、そもそも下着に着物のイメージを連想させるのが嫌だという声もあるかと思いますが、私自身はファッションはもっと柔軟にしたい、派です。

 

そもそも、民族衣装にインスパイヤされたファッションは、難しく、ファッション業界を長く悩ませてきたのだそうです。

 

今回の、KimOhNoとも言われるこの騒動では、「アメリカで日系人アイデンティティをはく奪され、着物を捨てなくてはならなかった歴史があるのに」という指摘がありました。

オーストラリアの記事ですね:

Yes, Kim Kardashian's Kimono is cultural appropriation. And she's not alone

 

確かに…そうかもしれませんが…じゃあ日本人以外は着物からインスパイアされたファッションをしてはいけないかというと…

 

そもそも日本人って何?って話になってしまうかと思いまして。

 

以前読んだ本で、「アメリカインディアン」を名乗り補償を受けている人たちは遺伝子検査を受けたがらなかったと。混血が進みすぎて、どれくらいの割合で、何年前のアメリカインディアンと類似があれば「アメリカインディアン」としていいのかがあいまいなのだとか。

また、「黒人差別主義者」と堂々と名乗る人たちの多くにアフリカ由来のDNAが見つかったとか。

 

民族とはあまりにあいまいなもので。

 

私も知る限りは親も祖父母も曾祖父母も、日本で「日本人」を名乗る家に生まれていますが…曽祖父母全員を把握できてる?と聞かれると自信がありません。16人もいるんですよ。その上の世代は32人です。把握してません。

 

だから、外国の人だって着物着てもいいと思います。以前アメリカ人の知り合いが突然「数日前に突然知ったんだけど、ひいおばあちゃんが日本人だった!俺少し日本人だった!」ってことがありました。急に日本人アイデンティティが付加されてめっちゃ楽しそうでしたけど。

 

それ以前に、私がチャイナ服とかアオザイとか着たいです。めっちゃかわいいもん。

それから私もこれからも洋服を着たいです。楽だもの。日本人だから洋服着てないで着物着ろよみたいに言われたら困ります。ウェディングドレスで式上げるとかワロスwwwとか言われたら悲しいし。

そもそも、日本の式典の礼服としてモーニングが採用されてますしね。正装に海外の衣服を着ている国でっせ。

 

ただ、外国の衣装を着るなら、ちょこっとは歴史を知ってたり、リスペクトくらいはほしいですよね。単に物珍しいから取り入れた、では悲しい気持ちになります。

 

 

ところで、ある時仕事の関係で、アメリカのコミックフェアに行ったことがあります。そこで、たくさんの女性が来ていた服が、こんな感じ。

 

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その界隈で流行っていたのか、近くで売ってたのか知りませんが。

その頃まだ日本では、若い女性の浴衣の着崩しが問題になっていました。浴衣の裾をあげて、脇から腕を出すやつです。

 

この時私はアメリカの女性たちの工夫を見て、「めっちゃ着てぇ!」と思いました。

私ももっと楽ちんにいろんな着物を着たい。着物インスパイアのおしゃれな服がほしい、とすごく思いました。

 

成人式とか、ちゃんとした着こなしをする日があってもいいし、ちゃんとした着物で行く場所があってもいいけれど、それ以外の時と場所でも着られる着物がほしい、と思いました。

 

あれから時代が変わって、着物に厳しすぎる指摘に、「いやだね」と口に出して言える時代になりました。

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新しい着物の着こなしを提案する人もたくさん増えました。

 

 

でも、まだ私のご近所でこういうファッションで歩いている人はいません。

 

オシャレモンスターでもなく若くもない私が着るには勇気がいります。

 

もっと、もっと、その辺を、ポリエステルで、スース―して楽ちんな着物で歩きたい!帯をパッチンと留めて、インスパイア着物でチャリンコに乗ってコンビニに行きたい。

それを着物と呼べないのなら、それこそキモーノゥと呼んでくれてもいい。