いやーどうもどうも、お盆過ぎてすっかり過ごしやすくなりましたな。最近やっと電動自転車を入手しましてね、あれ世界変わるね!!涼しくなった街をスイスイ駆け抜ける私。気持ちいい。今まで計25キロ前と後ろにくっつけて山を越えてたのがウソみたい!
そんなわけで、毎月1回はノンフィクション本を読んでいるごきげんな私(※減った)が来ました。
最近読んだこちらの本の内容があまりにすごくて、かなり興奮気味に書いています。
実はこの本、よく見たらサイケデリックに関する本だと明記されていました。でもちゃんとそこまで見てませんでした。
なんだかよく売れている自己啓発本だと勘違いして購入しました。
っていうか、そもそもサイケデリックという言葉の意味も知りませんでした。なんかこうパンクでファンキーな何かのことを言う言葉なのかと思っていました。LSDなどの幻覚剤で見る幻覚のことを言うんですね。へー。
こんな具合に、この本を読み始める前知識として、私はドラッグや麻薬の分類をまったくわかっていなかったので、内容が頭に入ってきにくく、少し難航しました。
でも、さすがにダテに売れているわけじゃないんですね。
読み進めていくうちに、スピリチュアルな話になり、この世界について考え直すことになり、最終的な感想としては
仏教すげーーーっ
でした。何を言っているかわからないと思うので、内容の一部ご紹介します。
※以下出てくるソースへのリンク先は英語のものが多いので注意
シロシビン・LSDはなぜ禁止された?
さて、日本でまっとうに生きている方はまず知識がないことだと思いますが、LSDをはじめとした幻覚薬物は、中毒性があるとか、健康を害するとか、そういうものではないのです。
ではなんでこれが禁止薬物なのでしょう。
ここは書くのがしち面倒なのでぜひ本の方を読んでみていただきたいのですが、禁止された背景には政治的、文化的な理由、そしてこの薬の影響力の強さがあります。
薬の影響力、薬が実現できるかもしれない世界に研究者たちが熱心になりすぎて、宗教みを帯びてきて、気味悪がられたのです。
トリップ体験・・・何が起こる?
なんでこのお薬がそんなに影響力があるんでしょう。それを伝えるためには、このお薬を摂取したときに、どんなことが起きるかをご紹介しないといけないと思います。
LSDなどを摂取すると強烈なトリップ体験が起きます。
目の前の人が別人に見えることもあります。目をつぶれば意識を持ったまま夢のような世界に、現実感を帯びたまま滞在できます。まさに「トリップ」、別世界に旅することができるのです。
幻覚剤の体験は、それをカウンセリングするガイドの手腕によってかなり違ってくるそうで、体験内容も様々ですが(恐怖体験する人も少なからずいるそうです)、特徴的な体験として、自我の消失があります。
外から自分を眺めている気分になったり、どこからどこまでが自分かわからなくなったり、自分という存在がペラペラと舞っていくように感じたりと、種類は異なれど。
また、世界が改めて美しく見え、「愛」としか表現できないものに包まれる感覚があるそうです。
この体験をした人は多かれ少なかれ変わります。ある人は環境を大事にするようになり、ある人は高次元の存在を信じるようになり、ある人は隣人に優しくなりました。
この薬はただ人をハイにしたり楽しくしたりするだけではないのです。人間の脳・考え方を変える作用があるのです。
幻覚薬物のメリットが見直されている
さてはてさてはて、このお薬、実は今アメリカ・イギリスなどで、薬としての認可の動きが加速しています。
イギリスでは、治療抵抗性うつ病や[4]、禁煙[5]に対する効果の臨床試験が進行している。2018年にはアメリカ食品医薬品局(FDA)が第IIb相の治験を承認[6]、画期的治療薬に指定[7]。
(wikipediaさんより)
また、投与の際は幻覚の方向性を決める「ガイド」が必要ですが、すでにカリフォルニア州から、資格を持ったガイドが誕生しています。
人の考え方を変えてしまう・・・ちょっと薄気味悪い響きがありますよね。実際にどんな場面で人の考え方を変える必要があるのでしょうか?
終末医療での利用
これが、幻覚薬物の有効利用において、真っ先に研究が進められている分野です。
今終末医療の現場では、物理的な痛みはやわらげられても、心のケアとしては有効性の高いものがありません。
でも、幻覚薬物によって自我を手放す体験を経ると、「自分も世界の一部で、自我が消失したとしてもそれは変わらない」ということが実感できます。死への恐怖がぐっと減り、穏やかに終末を迎えられるのだそうです。
中毒克服
過去の実験で、幻覚薬物が中毒の克服に大きな成果をあげていたことがわかっています。
あとで説明しますが、中毒は脳がオートパイロット状態で同じことを繰り返そうとするため起こるという側面があるそうですが、そのオートパイロットを1回オフ状態にできるので、効果があるようです。
精神病治療薬として
うつや強迫観念など、多くの精神病の緩和に効果が期待されています。
これも後程説明しますが、幻覚薬物は、脳のある部分に作用し、そこをオフ状態にすることができるらしいことが分かっています。その部分が強く作用しすぎて起こる精神病いっぱんに対して効果が見込めるそうです。
ここまでは、みんなも納得の利用法だと思います。アメリカやヨーロッパで研究が進められているのもこれらの分野からです。そして、これから先に書く分野への応用も始まるのか…それはまだまだ議論がありそうです。
犯罪抑止のための利用
さてさて、近年の凶悪犯罪の多くは、肥大化した自我が背景にある気がするのはワテクシだけでしょうか。
幻覚薬物は、この肥大化した自我をつかさどる脳の一部をいったんオフにします。そうです、ネットで「いいね」をもらえるとピコーンってするあなたの頭のあの部分です。
実は過去にも犯罪の再発予防効果を期待して実験が行われたことがあるそうですが、何分昔のことで、今とは研究手法も異なり、実用可能かはまだまだ研究が必要ですし、それ以前に倫理的にどうなのかという議論も必要そうですね。
文化的利用
自我の喪失体験を経た人は多かれ少なかれ、変わります。
体制に盲目的に従うことを辞め、「ラブアンドピース」と言い出します。
そうです。ヒッピー文化を生み出した背景にはこのお薬の存在があるんです。
その他にも・・・近年私たちの世界を大きく変えた様々な技術の背景にもこのお薬が関わっているのではと考えられるそうです。
このお薬の力でどんどん新しいイノベーションが出てきちゃうかもしれないんですね。
単純に「トリップ体験」したい人にも利用可能にすべきだ、と考える研究者もいるそうです。
ちなみに私はちょっと不安障害があって、昔はお薬を飲んでいました。お薬を飲まなくなった今でも、時々不安に襲われて苦しい時があるので、正直言って、そんなに画期的な薬があるのなら、認可されてほしいなあ、と思うのです。
トリップ中の脳に何が起きている?なぜ人が変わるの?
幻覚薬物は、1回の投与で大きな変化が得られます。
なんで1回摂取しただけでこんなに人が変わるんでしょう?脳の中で何が起きているんでしょう。
先ほどから書いていますが、シロシビンやLSDなどは、脳のDMN(デフォルトモードネットワーク。証券は売ってません)という分野をオフにします。このDMNは、脳の中の指揮者的な役割をしていると考えられています。
交通整理をしていたDMNがオフになると、脳内はどこでも走れる広場のようになります。
たとえば、水を見ると、何を思い浮かべますか?ガラスのコップを思い浮かべたり、夏のプールを思い浮かべたり、氷を思い浮かべたりするのではないでしょうか。それはDMNがよく通りがちな脳の思考回路をちゃんと整備していて、そちらに誘導してくれるからなのです。
DMNがオフになった人は、水を見たらハダカデバネズミを思い浮かべます。
1つの例なんですが。
だからすっごいインスピレーションが湧きます。
それから、凝り固まった思考がほぐれるようです。「◎◎しなくちゃ」とか「◎◎があるとタバコ吸いたくなるな~」とか、そういうのも。
そして自我がなくなります。DMNの中には自我をつかさどると考えられている、後帯状皮質があり、そいいつも一緒にオフになるからです。
自我がないのに意識が存続します。
この辺がスピリチュアルっぽい話になってきて、自我=私ではないんだね、って気づくのはかなりスピリチュアル的な体験のようです。
薬なしでマインドを変える方法は?
さて、こんなすごいお薬ですが、禁止薬物です。ダメゼッタイ。
たとえ健康に害がなくても中毒にならなくても、
違法なものを買うとそのお金が違法なことしてる人たちの手にわたって他の違法行為に使われたりしちゃいます。だからダメゼッタイ
そしてこのお薬はたぶん、日本では当分違法だと思います。法整備にもしばらく時間がかかりそうです。
定期摂取が不要で、しかもその辺のキノコから作れてしまう。そんな採算性の低さ、優位性の出しにくさなどから、大きな製薬会社が開発に乗り出しにくいといった事情もあります。
ところで私は日本はDMN大国だと思います。
空気を読みまくって時計を見まくって1,000はありそうな有象無象のマナーを守って、もう自己を制するDMNは働きっぱなし、オーバーヒートですよ。
そんなDMNをお薬の力に頼らず休ませてあげる方法はないのでしょうか?
あるんですよ!!!!
それが、なんとあなた、瞑想なんだそうです。
いやあ、 ・・・えーーー・・・。
がっかりしません?なんかがっかり感ありません?
若さを保つための絶対的で最終的な秘訣はそう・・・・・日焼け止めをこまめに塗ること!!!って言われたときみたいながっかり感ありません?
でも、瞑想の達人の脳の状態が、シロシビンを摂取している人の脳の状態に似ていることはしっかりと証明されたことのようです。
なお、一口に瞑想と言っても目つぶってりゃいいってもんでなく、かなりコツが必要だそうです。難しいという人は、目を閉じて「温かく優しい思いを人類に向ける」だけでも後帯状皮質の活動が減少させられたそうです。
また、大自然を見ることなども、自我を鎮める作用があることが実験上見られています。
これはディストピア?
みんなニコニコ、君は僕、僕は君。
真面目に働きお互い助け合う。
凶悪犯罪もおとぎ話。
それもこれもお薬のおかげ。
めっちゃめちゃディストピア感!
でも・・・
凶悪犯罪がなくなり、みんなが誰かに優しくなり、死ぬことへの恐怖がない、依存もうつもない
もしかしたら、今そんな世界の入り口に今私たちが立っているかもしれない。
インターネットやスマホが登場したとき。
私はそこが世界が変わる入り口だという意識を持てませんでした。
気付くとこれらのものは世界を変えていて、あとになって「昔は全然違う世の中だったね」なんて振り返るだけでした。
もしかしたら、これから30年後、今を振り返って「昔は凶悪犯罪とかあったよね」なんて話をすることがあるのかもしれない。
まとめ
もうね、書きたかった内容の半分くらいしか書ききれませんでした。かなり込み入った内容なので、エッセンスしか紹介できませんでした。ぜひ!本の方を!読んで!
・今ここが新しい世界への入り口かもしれないということ。もしかすると未来の人間は全く違う環境と価値観の中で生きているかもしれないということ。
・でも今は瞑想がすごいということ。瞑想マスターになりたい。
実は私、かねがね西洋人が仏教や禅をすごく持ち上げるのなんで?精神性=アジアってなるのはなんで?と疑問だったのですわ。クリスチャンだけど仏教の教えは取り入れてるみたいな人もいてさ。
いま 思うと、アジアの精神性をめっちゃ持ち上げる人は、すでに瞑想の驚くべき効果に気付いたひとだったのかもしれない。
瞑想でDMNを鎮めれば、
自分も世界の一部で、死んだら土に戻って他の生物の体の一部として転生して世界を巡ることを体感し、自我を失えば執着の苦しみから解放され所業無常を受け入れられる・・・ことによってさまざまな精神病のリスクを軽減できる。
それを、うんと昔に自力で気づいた人、すっごいなーーー!