今更なんだけどアナ雪1の話がしたい。なぜか。まだ2を見ていないからである。
だから。テレビがCMも歌番組もアナ雪ジャックされている今だから。1周遅いけどアナ雪1の話をしたいわけですよ。
最近また再放送があったりして見たんですけど、見るたびにどうしてもモヤモヤするから言わせてちょうだい。
この映画から得る教訓に賛同しかねる問題
どうなの、この。ハンス王子がサイコ野郎っていうオチ。そんなんある?っていうかそんなん必要?超いいヤツに見えた彼が超悪い人だったけどどんなメッセージ性があるっていうの?全人類を疑え的な?
ハンスとクリストフが対照的に描かれている場面がありますよね。
アナとハンスの初対面のシーン。「just me(私なんか)」というアナに対して「Just you?(君なんか?(まさか))」とハンスは返すのです。
一方、アナが小屋に入ってきたとき、クリストフは、「just you(なんだ君か)」と同じセリフを違う意味で返してるんです。
全女児に言いたい。
ハンスにしておけ!!
口が悪くて、ぶっきらぼうだけど、根は優しい。そんな男は、
結婚するとな、
ただの口が悪くてぶっきらぼうな男になるからな!
もっと言うとな、
「実は優しい」には
何のメリットもないからな!
実は仕事ができるけど働かないとか
実はきれい好きだけど風呂がないから入らないとか
「実は」ってついたらナッシングと同じだからな!!!!!
ディズニー映画に教育的側面を求めるわたしは間違っていますか?間違っていますかそうですか?でも私は子供に教育したい。
この映画を見習ってはダメよ。この男選びは実世界では転ぶわよ。と
これって矛盾じゃない?問題
最近のディズニーは改宗者のごとく、過去の自らの過ちを訂正するのに必死な気がします。
過去の過ちとは。
・無個性で美人なだけのおんなのこが受け身で待って
・いきなりチューとかしてきたほとんど知らない男といきなり運命の恋開始
確かに。小さな女の子へのたいへんよろしくないメッセージだと思います。
いきなり運命の恋開始への否定は「魔法にかけられて」(2007)あたりから加速した気がしていて、
アナ雪1ではなんかもう教訓めいて
「出会ったばかりの人と結婚してはいけない」が連呼された気がしますが…。
そもそも王族同氏はだいたい会ったばかりの人と結婚した時代な気がするのはさておき。
まるでアナが出会ったばかりの人と婚約したから色々問題が起きたかのように描かれていますが、正直ハンスの本性は3年つきあったって見抜けなかったと思います。
これってストーリーの不整合な気がしてるんですが、これでいいの?
そこまでして運命の恋を否定しなくてもいいじゃん…?
今回も悪役が何したいのか謎問題
これはね、ディズニーものはここ突っ込んだらもう負けなんですけどね。なぜかラプンツェルを娘としてちゃんと誕生日も教えて育てたゴーテル母さんとか、自分が一番美人でありたいために老婆に変身する義母とか、突っ込みだしたらキリがないんですけど、やっぱり突っ込んでおきますね。
ハンス王子なにがしたかったん?
王子だけどもっと自由になるお金がほしかったん?
中世世界の王にならない王候補は暗殺されるかもしれないから全力で王を目指すみたいな世界観でもなさそうだし。
王国運営やってみたかったのでしょうか?
動機も謎ですがやり方も謎です。
王国を乗っ取りたかったらエルサが部下を殺しそうになった時に止めずに、ただおたおたしていればよかったじゃないですか?
アナと結婚してからまたエルサを山に帰してやるとかいくらでも方法あったじゃないですか?
っていうか考えれば考えるほどにハンスが王様の方がよくない?
エルサとアナでは…正直自分が国民だったらちょっと心配ですわ。人と関わった経験が少なすぎで、これからも騙されそうだし、だいたい感情的になりすぎです!王国運営そんなに甘くない。
いっぽうハンスはいい人を演じ通したあたり、頭のよさと忍耐強さを感じます。
非情でもいいから王国の経営は能力のある人にやってもらいたい…。一国民の思いです。
超名曲を台無しにされた問題
「とびら開けて」めっちゃいい歌だったのに…ウソやったん…?
「愛は開かれた扉」「こんなに合う人初めて」「運命としか思えない」
ゼッタイに結婚式に流して幸せマウンティングしたかったやん。もう流せないじゃん!!
でもアナ雪はここが最高だったのよ
はい?私がアンチアナ雪ですって?ちがいますぅう!!確かに娘を通して多額の課金をすることになった遺恨はありますが違いますううう。その証拠にアナ雪のここサイコーだったって点を挙げておきますうう
それはエルサの変身シーン。
いい子を辞めると言って前髪をかきあげ、ハイネックを捨ててデコルテ丸出しのスリットドレスに変わるところですよ。
「いい子をやめて」
(女性の色気を隠さない)
「本来の姿に」
なったんですよ。
「いい子である」ということが、自分の女性性を隠すと同じである女性特有の悲しみ。
自分の強さや能力を隠すことでやっと受け入れられる女性特有の悲しみ。
ただ女性であるだけで、まるでそれが悪いことかのようにコソコソと、自分の体や力を隠さなくてはならなかったことに、多少なり傷ついた経験がみんなあったから、この場面が世の女性たちの心を打つのではないでしょうか。
ちなみに、だからこそレリゴーの和訳歌詞は、「ありのままの姿見せるの」ではなく(見せてれば問題はなかった。ありのままの姿になったものの、それが自分以外の人に受け入れられると信じず山に隠れてしまったからこそ問題が起きた)
「ありのままの姿になるの」ととれる歌詞に訳してほしかったなあ、などと思ったのでありましたが。
最後に
まあ、そんなわけで。
アナ雪は最後の方まで脚本にてこずって、1回白紙に戻したんだそうですね。「Smarter Faster Better」に書いてありました。
だからさ、きっと最後まで詰める時間がなかったんじゃないかな(勝手な推測)
ハンス、キスするがただの恋と愛は別物なので呪い溶けない⇒
ハンス、エルサを殺さないと呪いが溶けないと確信してやむなくエルサ攻撃⇒
ハンス最後にフラれるけど割と潔く去る
こういう脚本にした方が矛盾なくない?なくなくない?
いや…そもそもの問題はディズニー側にあるのではなく、ディズニーに過大な期待を寄せる自分の心にあるのかもしれません。
そんなわけでアナ雪2のテレビ放送を待っています。(モアナも)