うんと昔。ゼミ旅行で女性が自分一人だったことがあった。
運悪く生理になり、当時生理痛が激しくピルも使用していなかった私は、万が一気絶でもしたら大ごとになると心配し、その時唯一いた同期にそのことを説明しておいた。
無事気を失うこともなく、血を見せることもなく、ことは過ぎたのだが、それからしばらくしたのち、その同期に藪から棒に告白された。
別の同期に聞くと、その男は「ギー子が俺に生理とか言ってエロいことを言ってくるんだ。どうしたらいいんだよ」と頭を抱えて悩んでいたらしい。
おそらく悩んだ末出した結論であったろう、申し訳ないのだが即答でお断りさせていただいた。いくらモテないからってこの案件はナシだ。
なぜ生理はヤラシイとか、そういう話とみなされるんだろう。
購入した生理用品を隠すバレバレの紙袋を抱えながらいつも思う。
当事者からしたらただの腹痛・出血にほかならない。
あれだけ痛いのに周囲にのほほんとエロに結び付けてるヤツがいるなんて許せん。
そもそも、出血している事実はスルーしてその大元の出所にフォーカスするなんて、
腰につながってるから「足」もエロワードとして封印した昔のアメリカ人並みの想像力かよ。
とは言っても。
似たような事例では「痔が恥ずかしい」という風潮もある。
これだってただの裂傷なのにやたらと場所にばかりフォーカスされるな。
どうも人はこのエリアに対する関心が強くて、
傷+おしり ならおしりの方に焦点が当たってしまうらしい。
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数年前のことだが、会社に姉妹の多い男がいた。
姉妹の多いその男は、女性との打ち合わせで、かなり普通に真顔で
「●●さん、この日あたり生理ですよね、たぶん。だから提出日は後ろ倒しにしようと思っています」などと言う男だった。
その男に1ミリでも「自分はヤラシイことを言っている」という意識があれば、こちらも「なんだかヤラシイことを言われている」という不快な気分になったかもしれない。
でもその男は100パーセント真面目で、100パーセント業務連絡をしていた。
同僚との仕事において、生理日(というか不調日)を避けて仕事をしようとする彼にはこの上なく助かった。
そんな彼はそれ以上におもしろい発言をしていた。
「僕今日生理なんです」
一瞬意味がわからないけれど、実は男性にもホルモンの周期に影響を受けているという説もあるらしい。
ただし、そういった研究や主張が存在しているというだけで、実証が不十分だったりしているので、まだ確信をもってあるとは言えないんだとか。
ただ、人によって何らかの周期があっても全然不思議ではないと思うのは、同じ地球に生きて、同じように月やら季節の影響を受けているわけで。
とにもかくにも彼は周期があって、一定周期で調子が悪いらしく、男性も生理があり、そのことに配慮した仕事配分がいる、とゆるりと考えていたそうだ。
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こんなわけで、女性だって生理休暇なんて取れない世界だけど、
男性でも女性でも、生理だろうがそうじゃなかろうが、
「なんか不調」とか、とにかく、
お前らのしったことじゃねーだろというような理由で
いつでも自由にお休みをとれる社会になったらうれしいですな。
そして願わくば、もう少しフラットに生理をヤラしみのない、ただの不調ととらえてもらえる世の中だと、私はうれしい。ハッキシ言って隠すのに疲れた。