まあ笑ってくれ。

お前の上司の頭髪を全てもやしに変えてやろう

グリム童話のカオスが予想以上1

キンドルだと、著作権切れの本は0円DLしたい放題。
色々とDLしてきたけれど、真っ先に呼んだのがグリム童話

本当はむごいとかぐろいとか色々聞く。
昔の人が何を楽しんでいたのか気になった。
昔の者を読むと、「ああ、今でもおもしろい」と共感することと、
「この人たちは根本的に思考回路が違う」と混乱することとある。

で、グリム童話は混乱の極地。
まだ自分が何を読んだのか消化しきれない。

なかでもありえなかったものを一つご紹介。
これをユーモアととれるのか、
今では失われた感覚で読まないといけないのか、
それともただの駄作なのか、よくわからない。

「震えられない若者」

むかしむかし、ある家に二人の兄弟がいたました。
兄は賢く弟はバカでした。
弟はバカなので恐怖を知らず、震えることをしりませんでした。

そこで、寺男が震えることを教えてやろうと教会に連れていきました。
夜中ベルタワーの上に上った弟の前に寺男は白い布をかぶって表れ、
お化けのふりをしました。
弟は「誰だ」と尋ねたが、答えがありませんでした。
だから階段の上から突き落としました。

寺男が足を折ってしまい怒ったので、弟は実家に帰されました。
父は若干のお金をわたして縁を切りました。
弟は、震えることを学べれば、父に認めてもらえると思い、
ある人の勧めに従って、処刑場で眠ることにしました。

処刑場にはまだ死体がぶら下がっていましたが、
弟はバカなので、寒いだろうと思い降ろしてやり、
火の周りに座らせてあげました。
火は大きくなって、死体に燃え移りました。
弟はせっかく火の近くに座らせてやったのに、
火が大きくなっても逃げないなんてバカか?と言い捨てて去って行きました。

とある王様が呪われた城を持っていました。
そこで三晩過ごせたら娘と結婚させるとおふれを出しました。
弟は震えることを学ぶために城に泊まりました。

最初の夜、黒い犬と猫が現れてカードゲームをしようと誘ってきました。
弟はそいつらを殺しました。
その後のろわれたベッドで眠りました。
ベッドが城中を飛び回ったので、弟はめんどくなって床で眠りました。

次の夜、体が半分しかない男が煙突から落ちてきました。
弟は「のこりの半分ください」と煙突のてっぺんに向かって言いました。
足など落ちてきました。
体がそろった男につづいて、たくさんの頭蓋骨や体のパーツを持った男たちが次々と煙突から落ちてきて、みんなで夜中まで遊びました。
夜中になると男たちは消えてしまいました。

3日目の夜、葬列が登場しました。
弟はバカなので、棺の中にいるのは自分の死んだ従弟に違いないと信じて、
遺体を取り出して、添い寝して温めてあげました。
すると遺体は目を覚まし、弟の首を絞めようとしました。
せっかく温めてあげたのに、とむかついた弟は従弟を棺の中に閉じ込めました。
なんかじじいも出てきて、どっちが杭を深く打ち込めるか競争しようと言いました。
弟は杭にじじいの髭をひっかけていじめました。
夜中になると、それらもまた消えました。

朝、王様は美しいお姫様と結婚させてやると言いました。
弟は結婚はいいけれどまだ震えることができないのが残念でした。

いつも震えたいとばかり言っている夫にいらっとした姫は、
ある日冷たい水を彼の頭からぶっかけました。
弟は「やっと震える意味がわかった」と言いました。