またまた、読んだ本の紹介。
モチベーションに関する研究と提案をしているダニエル・ピンクの本です。TEDトークで見た人もいるのではないでしょうか。
ここで紹介しやすい内容がないんですが、いくつかおもしろい実験があったのでご紹介しますね。
子どもを3つのグループに分けて絵を描かせた。グループはそれぞれ以下の通り。
A. 絵を描く前に、描いたら賞状がもらえると言われたグループ
B. 事前には何もも聞かされていなかったが、絵を描き終わったら賞状を与えられたグループ
C. 何も与えられなかったグループ
⇒結果、グループAの子どもは絵を描く時間が減り、あまり興味を示さなくなった。
被験者に集中力を要するゲームをやってもらった。その際被験者を3つのグループに分け、それぞれ好成績を出せば以下の通りの報酬が与えられた。
A. 1日分の給料相当のお金
B. 2週間の給料相当のお金
C. 5ヶ月の給料相当のお金
⇒結果はAとBのグループの成績は同程度だったが、Cのグループの成績がもっとも悪かった。
被験者を2グループに分け、発想の転換を要するパズルを解かせた。
A. 単に時間を測るのでパズルを解くようにと言われたグループ
B. 早く解答を出した人に少額の賞金が出ると言われたグループ
⇒Bの方が平均して3分半時間がかかった。賞金が出ると創造的な思考が鈍る。
こういうことです。つまりはこういうことです。
報酬出されると人間モチベーションもスペックも下がる
元も子もないですね。企業とか雇い主に知られたくないですね。もう少し突っ込んで開設すると、モチベーションとなるものが外的要因(お金、ご褒美)よりも、内的要因(楽しい、誰かの役に立ちたい)である場合の方が我々はよい性能が発揮できるようになっているそうです。内的外的もそうですが、物理的かそうでないかも重要そうですね~。
これ、どう応用したらいいかな~と考えると難しいですね。
子どもなら、「〇〇あげるからやりなさい」より「やってくれたらママ/パパうれしいな」がよいんだろうな、ということがわかりますが、上司に「サービス残業してくれたらうれしいな」って言われたら茶に雑巾しぼり汁案件なわけで。
でも今まで日本企業って案外この「やったら名誉」みたいな内的報酬で回ってきた部分はありますよね、実際。
私は家事とかある程度やったらご褒美にバウムクーヘン食べて自分のお腹パウンディングしてるんですが(治ってない)、これもあまりよくないんですね。たとえばきれいになった部屋をインスタにあげてみんなに褒めてもらうとかの方がモチベーションとして有効そうなのはなんとなくわかります。