まあ笑ってくれ。

お前の上司の頭髪を全てもやしに変えてやろう

養子制度に対する思い

養子制度は身近なものでした

突然ですが、私が育った環境では、養子というものは割と身近でした。

 

まず、アイルランド系のクラスメイトがアジア人の赤ちゃんを養子に迎えたことがありました。通っていた学校では、それぞれが自分にとってホットなトピックスを自由に話す場面がふんだんに用意されていましたので、彼女の家に弟がやってくるワクワクはよく共有されました。彼女が「私の弟」と夢中になっていたのをよく覚えています。

 

それから、小学校高学年に上がったころ。クラスメイトの1人が養子として引き取られていきました。
その日、彼は突然丸坊主で登校してきました。グリー部かチア部かといえばグリー部的な存在だった彼。いつもだったら他の子がちょっかいだしそうなものですが、その日は他の子たちもちょっと気配が違うな、という感じで。先生たちがざわざわして、同じ学年の先生たちが集まってただ事じゃない雰囲気で話し合っていたのをうっすら覚えています。
その日の午後彼は先生に連れられてどこかに行って。次の日先生が「虐待があったので親元を離れた」ということをみんなに話しました。

彼はそのまま別の学校に転校しましたが、数か月後、養父母と一緒に元の学校に挨拶しにきました。
その時、見違えるような自信にあふれたオーラに変貌していたことにびっくりしました。ゆったり伸ばした足を交差させて座る彼の靴が、やたらピカピカしてたのが印象に残っています。

余裕のない親から、ティーンの里子を受け入れる余裕の親に引き取られ、こんなにも雰囲気が変わるなんて。

 

知り合った大人同士、何気なく話していたら身の上話が出てきて、「私は養女だったんだけどね」というのがサラッと出てきたこともあります。

 

 

その後30年近く日本に住んでいますが、まだ1人も養子だった人に出会っていません。養子を引き取った家庭も知りません。
日本では孤児はみんな二足歩行ロボットを運転する未成年パイロットを養成する秘密施設にでもいるんでしょうか?

児童養護施設の近くにある小中学校ならば接点もありますが、そうでなければ、多くの人にとって妙に縁遠い話です。

 

しかし・・・養子制度、日本でももう少し強化してほしいと思うのです。

養子制度がもっと身近になれば、虐待や置き去りなど、解決する問題がたくさんあるはず。
同性カップル不妊カップルにも新たな道が開けるはず。

それができないのなら、とりあえずは養護施設にお金をもっと投入してほしい。気持ちのいい施設で常駐の職員がたくさんいる環境にしてほしい。
でも今の社会全体で子育てする意識皆無の日本ではそこに税金投入すると反発されるだろうなあ・・・。

 

親権強すぎない?

最近よく言われていることだと思いますが、親権って何?親の権利って。親権が子どもの幸せより優先されるかのような事態がたくさん報道される日々、考えさせられるものがあります。

www.change.org


こちらで知ったのですが、養子として引き取られた先で愛情深く育てられた子でも、産みの親が「気が変わったので自分で育てたい」と言えば、産みの親の元に戻されてしまうのだとか。

 

親権より子どもの権利が強くなるよう制度を変えれば、養子縁組増加の道も増えて、先に制度があれば利用者も増え、利用者が増えれば世間の不理解も減っていくはず。
いつかEテレに出てくる「親子」の両親の性別が同じでも、両親と人種が違っても誰も何も言及しないくらいになる日々が来るはず。きっと。

 

自分の子どもを持って思ったこと

じゃあ自分が養子を育てられるのか?って聞く人がいると思いますが、できるんじゃないかと思います。物心ついた後の子とかは難しいのだと思いますが。

自分の子どもを育ててやっぱり実感したんですが、子どもがかわいいのは、私のへっぽこ遺伝子を持ってるからなんかじゃなく。運命によって自分に割り振られた「私の」子だと思うから、だからだな。と。
ただ自分以外の家族の協力と理解が得られません。今のままではまったく。

あと…今の子育て環境では厳しいとは思います。
実子でも辛くて辛くて仕方ない今の日本(都市部だけ?)の育児環境では、「こんなにうまくいかないのは血のつながりがないから」と思っても不思議ではない。

 

また、実子のメリットはあります。それは、自分と夫の遺伝子についてある程度の知識があること。病歴とか、性格とか。そのためある程度はどんな人格に育つか、どんな顔になるか、どんな病気のリスクがあるか備えられる。それは大きいとは思います。

 

子どもには幸せになってほしい

世間の大人の90%くらいが逝ってヨシ的な人間に思える今日でも、子どもはやっぱりかわいいです。育っちゃうと多分DQNやクソ上司や女たらしやマウンティングマンなどの邪悪な存在になり果てるであろうホモサピエンスでも、子どもはかわいいし、全員幸せであってほしいです。ほんとに心から。

幸せなホモサピエンスの子どもはいい大人になりそうだから、未来がよいものになりそうだし。

 

なんらかの制度が変わって養子が増えたら、きっと、どこかで養父母の虐待事件とかが出てきてしまうかもですよね。絶対に防ぎたいけれど。そうするときっと「養子に出すから虐待される。自分の子じゃなければ虐待しないのに」みたいな論調が強くなることもあると思うんですけれど。
でも、実親でも虐待することが嫌ってほどわかってきた今日この頃。
親と合わないケースもあるかもしれませんが、それは実子でも同じ。同じ賭けるなら、里親制度に賭ける方が…世界的な潮流でもあるので、きっとよいと統計的に出ているのだと思います。

 

ところで、最近読んだ小説があって。これなんですけど。

 

忙しすぎる兼業主婦(44)が心臓麻痺を起こしかけたのをきっかけに、家族の元を去って独り暮らしし始める…というストーリーなんですが。

 

この小説の主人公も養女で、そのため心臓麻痺が家族性のものかわからず心配する場面が出てきます。

そもそも、主人公がこんなに忙しいというのも、母(育ての)が「私もう家事は卒業したから」と言って何もしなくなったのが原因の1つ。
でもこの小説の親子関係、ごくごく普通ですよね。年取った母がわがまま言い出してイライラしながらもフォローしてあげるとか、ほんとに普通の親子関係ですよね。作中のヒロインは、育つ中で自分が養子であることをほとんど意識したことがなかった、と語ります。

まあ、著者が養子だったかどうかは不明なので、本当の養子の気持ちを代弁できているかはわかりませんが、もしこんな未来が養子になった子にあるのなら、ぜひ施設ではなく、一刻も早く子どもを切望する養父母のところにいかせてあげたいと思います。

 

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