川崎の事件。子を持つ身としてはとにかく、とにかくこんな事件がもう起こらないようにするにはどうしたらよいのか、ということで頭がいっぱいになります。
なのに。
刃物持った男に警官発砲 埼玉 | 2019/5/28(火) 16:03 - Yahoo!ニュース
掲示板に「カリタス学園周辺で10人以上メッタ刺し」模倣犯か - ライブドアニュース
こんな事件の模倣犯が出るなんて。
今なら事件が注目されているから、同じようなことをすれば自分もみんなに見てもらえる、とでも思ったのでしょうか。
「怖いモノになりたい」人がいる
凶悪な事件が起こるとみんな犯人に怒り忌み恐れますが、それが祟り神への畏れのように感じるのでしょうか。
人間、どうしても「悪」に対する憧れのようなものがありますよね。
弱くて他人に相手にされない人ほど、周囲に同調せず力でねじ伏せる「悪」の存在に憧れるのも仕方ないかもしれません。
でも、嘲笑される存在ならば?自分はそんなものとは似ても似つかないと思いたがるのではないでしょうか。
犯人は恐ろしくない。醜悪で滑稽
ビンラディンが死亡した後、アダルトビデオを所有していたことがよく報道されました。ジハーディ・ジョンも、過去に告白してフラれたエピソードや冴えない学生時代の話がよく報道されたことを覚えています。
事件の被害に遭うと、泣き崩れる様子が報道され、卒業アルバムの内容が晒されます。
一方で犯人については「そんなことする人だとは思わなかった」「いい人だった」という街の人の驚きばかり紹介されます。かわいそうな生い立ちも紹介されます。
「事件を起こせば、『いい人だったのに』と言ってもらえて、自分の生い立ちをみんなに知って同情してもらえて、怖がってもらえて、有名人になって語り継いでもらえる」と安易に思う人がいても不思議ではないくらいです。
だから・・・かわいそうな生い立ちはいらないから、黒歴史を報道しては?
何もしていない人の歴史を暴いてしまうのだもの、マスコミパワーで犯人の黒歴史を少し暴いたって、マスコミ倫理に反するわけではないのでは?
過去に告白した相手、変なクセ、挙動不審だったこと、思い上がりが激しかったこと。
生い立ちのことはいいです。それは警察や心理学者が知ればいいこと。なんなら文書で一般公開すればいいけれど、ワイドショーで興味本位の大衆に垂れ流さなくていい。
拡大自殺の心理が「自分を軽んじた社会への復讐」「自己顕示欲・承認欲求を満たす」ならば、軽んじ続けてやればいい。自己顕示も承認欲求も満たしてやらなければいい。
権力のない私たちの行使できる抑止力
確かに社会は優しくないと思います。日本の幸福度ランキングは下がり続けて2019年は58位。飢える人も凍える人もほとんどいないのに、誰もが他人に冷たくて制度は古くて。
でも、社会がどんなに優しくなっても、事件を起こす人間は湧いて出てくると思います。
私は犯罪心理のプロでも何でもないから、犯人や模倣犯の心理を分析しようとしても栓無きことかもしれません。でも人が貴賤に関わらず、有名な人も無名な人も、暴力的な人もそうでない人も、「辱められる」ことをとても嫌うことは知っています。
だからネットでこういう犯人の話をする時は「気持ち悪がっている。元から見下していた社会は『やっぱりな』とお前に対する気持ちは変わらない。惨めさとみっともなさだけが語り継がれる」というメッセージを送り続けたいんです。