まあ笑ってくれ。

お前の上司の頭髪を全てもやしに変えてやろう

怒り狂う「しゅふ」をなだめ 変化を促すFBI交渉術

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怒れる人をなだめるFBI交渉術

 

最近とても面白い本を読みました。

その名も「夫を嫌いにならない方法」。

ヒュゥ~ 刺激的ィ…。

 

この本はとてもおもしろく収穫が多かったので、いくつかの記事に分けてご紹介したいと思っているのですが、その中で取り急ぎ、「怒り狂っている人をなだめる方法」のところがたいへんタメになったのでアップしたいと思います。

 

FBIの交渉術を夫婦ケンカに応用できないだろうか…

自身も夫との関係に悩む作者は、怒る自分に対して夫がFBIの交渉術を使えばよいのではないかと考えたのです。

 

FBIの交渉人といえば、怒りに我を忘れて銃を振り回す犯人の心をも変えてしまう力があるのですから、たとえ妻が包丁を振り回して怒ったってなんとかできるはず。

 

ちなみに、このブログのタイトルは「しゅふ」と記述しています。

それはこの本でも書かれていたのですが、夫婦の構図は基本女vs男ではなく、もっぱら家事をする人vsそうじゃない方だと思っているからです。これからの世界、男性も望めば主夫の道が開けるべきですし。

実際、専業主夫にインタビューすると悩みや怒りポイントが主婦とまったく同じ…「なんで妻は散らかしたものを自分で捨てないんだ」「なんでいちいち言わないとわからないんだ」「なんでディッシュウォッシャーに皿を入れるだけの簡単な作業ができないんだ」などだったそうで。
しかも、子育てしている主夫はMRIで見ると脳も主婦のように作り替わっていたのだそうです。

 

 

アクティブリスニング

アクティブリスニングは受け身ではなく積極的に聞くということ。

考えずとにかく聞く。

人は考えながら聞くことができない。実は聞いているつもりでも自分の考え事に耳を傾けているだけの人は多い。

 

このフェーズの意味は、先に話させることによって「事態をコントロールしているのは自分だ」という印象を相手に持ってもらうことです。

 

アクティブリスニングを実行しているとき、使うべきテクニックがあります。

言いなおし

相手の言葉を自分の言葉で言いなおすことです。

言いなおしの例:

「ミンチにしてやるーー!」

「なるほどそうか、僕を包丁で細かく切り刻みたいんだね」

これは「君の言いたいことがわかった」というメッセージを相手に与える効果があります。皮肉に聞こえないよう重々注意。

感情のラベリング

感情のラベリング例:

「クソがーーーーー!」

「あなた、怒っているのね、きっと。子どものクラスの名前がさくら組だったかすみれ組だったか、私が覚えていなかったから。」

これを行うことにより、相手は一度自分の感情を認識することができます。脳のスキャンでも、感情に名前を付けると、その感情を弱める効果があることがわかっています。

さらに、自分の感情が相手に伝わっていると感じることで、「感情は相手に伝わった。これ以上は感情を表現し続けなくてもいい」という状態になります。そこで、感情的な状態から一度落ち着くことができます。

 

決して「ちょっと怒っているんだね」と相手の感情を矮小化しないよう。また、完全に間違えないよう、「~のようだ」「たぶん」などつけて、断定しないように。

 

相槌

簡潔な相槌をうつこと。

「そう」「なるほど」「わかった」など。

ミラーリング

相手の文末を繰り返します。

ミラーリング例:

「私は怒ってるの!なんで鯖缶を台所にぶちまけたの?猫がくるでしょ!猫がくるのよ!」

「猫がくる…」

 

自由回答形式の質問

質問をすることにより、興味を示せます。

自由回答形式の質問例:

鯖缶についてもっと教えてほしいんだ…どうやったらぶちまけず鯖缶を開けられる?」

「はい」「いいえ」で答えられない質問にすること。

主語を自分にする

「怒鳴らないでくれ」⇒「私も理解したいと思っているんだけど、難しくて。少しトーンダウンして話してもらいたい」

こう言い換えることで、相手が「俺が悪いってか」状態になるのを回避

 効果的な間

これはやや難易度の高いテクニックですが、ときに黙りこくると、相手は「ちゃんと聞いてるのか?」と不安になり少し冷静になります。

 

アクティブリスニングしながら交渉のステップアップ

アクティブリスニングしながら、まずは

相手の立場・モチベーション・事情を理解することを試みます。

怒り狂った相手に対して理解してやろうとするのは嫌悪感を伴いますが、「自分が得たい結果を得るため」と心得てグッと我慢します。

参考:

Methods of Persuasion: How to Use FBI Empathy

 

じっくりアクティブリスニングを行い理解が進んだら、相手に「私は理解できました」ということを示していきます。

そうすることで相手に対して影響力を持つことができるようになります。そこから相手に変化を促すことができる段階に移行していきます。

 

会話例

「あなた、また鯖缶落としたでしょう?」

「はい」

「なんで鯖缶落とすの?鯖缶落とさないで。まじむかつく」

~アクティブリスニング開始~

「怒ってる…?」(感情のラベリング)

鯖缶落とすとネコが来るでしょネコが」

「猫が。」(ミラーリング

「まじで片づけるの大変なんだけど」

「疲れるし厄介だよね」(言い直し)

鯖缶天日干しにしてたのに鯖缶無駄になったでしょ。もったいないでしょ。最近高いのよ鯖缶

「うん」(相槌)

「どうしてくれんのよ!?」

「…」(効果的な間)

「何とか言ってよ」

「ねえ、どうして鯖缶を天日干ししているの?」(自由回答形式の質問)

鯖缶干すと栄養価が上がるのよ!なんでそんなこと知らないの?ワイドショーで言ってたでしょ!?」

「ごめん、知らなかったんだ」(主語を自分に)

 

~ここで相手の状況を知る。考える。

鯖缶干すほどのヒマさ、
情報源の少なさ
栄養を欲する欲求、栄養の不足か?
もしかしたら何の心のメッセージなのかも…~

 

~そしてステップアップ~

「だから鯖缶を干していたんだね。君は栄養のある鯖缶をみんなに食べさせたいと思って頑張ってくれてたんだね」

「そうよ」

「君の気持ちはありがたいけれど、玄関に鯖缶を干していると僕はつい蹴飛ばしてしまうんだ。他に干せる場所はないかな?例えば裏庭とか」

 

 

といった具合です。

 

 

 

まとめ

ところどころ日本語コミュニケーションに合わないところもありましたが、かなり参考になります。

怒り狂うしゅふをなだめる…としましたが、すべての交渉の場面で参考になりそうです。

 

なお、語調・口調・声色は大事。

ついやっちゃいますが、こちらも重要。

・見下さない

・脅迫感を出さない

・批判しない

・説教しない

強く交渉するほど抵抗されるということを念頭に。

 

また、個人的な感想として、「とりあえず落ち着いてもらう」でもいいので、あらかじめ得たいゴールを念頭に入れて交渉開始した方がよさそうですね。